先日FBでも書きこしてしまったのですが、大きな買い物をしました。
多分これが僕の人生で、自分のものとしては最後の大きな買い物です。

中古のBechsteinのグランドピアノを買ってしまいました。

中古と言っても名ばかり。1980年生産の手入れのすごく行き届いたピアノです。

しかし今までより３０ｃｍも大きくなる。
そしてやはりお値段の問題。
これまでのように一人で暮らしていて、
生活がギリギリなら買うことなんてなかったでしょう。
しかし今はパートナーと一緒に暮らしており、生活も安定しています。
と言うことで、最後に仕送りが途絶えてから、
最初で最後のお願いを両親にしました。

借金をさせてくれ

と。

これは僕にとって、かなりの勇気のいることでした。
しかし、自分は音楽で仕事をしている身。
商売道具は、良い物を持っておかないといけないのも事実。
今まで持っていたSchimmelのピアノは2本ペダル。
そして今回のBechsteinは3本ペダル。
実は3本ペダルはずっと考えていたことでした。
トランペットの伴奏上、現代曲の伴奏が多く、
3本目のペダルであるソステヌートペダルは、けっこう使うこともあるのでした。
自宅で練習しているとそれが出来なくて、本番で使うことが難しかったのです。
そしてソステヌートペダルは昔のピアノにはなく、
新しいピアノにしかついてないのも事実。
そしてそういう新しいピアノは高いのも事実。
と言ってSchimmel以下の楽器を買うつもりもサラサラなし。
Yamahaもいいのだが、ヨーロッパでは高い。
Steinwayも欲しいが、誰かが死なないと（保険金が入らないと）
買えないほど高すぎる。そしてSteinwayは中古でも高すぎる。
もちろんBechsteinも新品はすごく高いし、中古でもかなりの値が張るのも確か。
と、いろいろ問題があったのです。

しかし、今回のBechsteinはすごくラッキーなお値段で購入。
そしてこのお値段なら手も届かなくはなさそう。
そして3本ペダル、おまけに鍵盤が象牙。
そして203cmの大きさ。
今まで夢に見ていた条件ぴったりのピアノでした。
そしてもっとすばらしかったのは、元の持ち主さんが、
手入れをすごくきっちりしていて、反響板まできれいだったこと。
弾いてみたら、やはり弾き心地のいいピアノ。
音も暖かく、気持ちいい。

ここまでくれば無理してでも買うしかないでしょ、って感じでした。


まあもともと、大学にはっていたチラシを見たのがきっかけでしたが、
「電話をかけて、聞くくらいなら」
「見に行くくらいなら」と思ってたのですが、
そう思うことはみれば買いたくなることも十分承知していました。

そしてこれだけのラッキーなお値段なら、
他の人も買いたい事は目に見えてました。

「自分には不利かも」

そう思ったのも事実でした。

でも、母がまず理解してくれて、父を説得してくれたこと。
周りの友人たちに相談しても、みんな「無理をしてでも買ったほうがいい」
と言われたこと。いろんなことが重なりました。
そして売主さんもハーフの日本人だったことも幸いしました。

今回いろんなご縁を感じました。
ピアノとのめぐり合わせ、売主さんとのめぐり合わせ。
そして思いは願えばかなうって事も、自分で理解した気がします。

いろんなご縁があってここまで来れた事を感謝しております。
もちろんこれが全てではないのですが、
自分は多分死ぬまでこのピアノを手放さないでしょう。
そう思える楽器にめぐり合えて幸せです。


とは言うものの、このピアノが納入するのはまだ数ヶ月先になりそうです。
まずは僕のSchimmelのピアノを売りに出さなくてはいけません。
場所もないし、お金もないし・・・・。
いろいろ問題は山積みです。

でもこういうストレスって、いいストレスかもしれません。

皆さんに感謝　！！！